インセクトパラダイス

東急ハンズ大賞第四回準ハンズ大賞受賞「メタモルフォーゼ-チヨウとセミ」
東急ハンズ大賞第四回準ハンズ大賞受賞「メタモルフォーゼ-チヨウとセミ」

変態

生命はいろいろな形で変化して成長していきます。
全く違う姿になるもの、同じ姿で大きくなるもの、そんな様々な生命の成長の過程、変化を捉えた作品を紹介します。
セミの変態
セミの変態
これは蝶とセミの組み作品。

ワイヤーと和紙で作っていて、小さな卵から成虫になるまでの過程を表現しています。

マトリョシカみたいに、上からかぶっていって、最後は葉っぱや木の幹の上に成虫がとまつている姿になります。

一つの中に成長の過程が詰まっているようになります。

それは生命の思い出かもしれません。

生きた証しとして、心に刻まれたかけがえのない思い出かもしれません。

そして、誰もがその時々の一瞬を胸にとどめて、今を生きることができる、一歩前に進めるのかもしれません。
まだ幼かった息子のために制作したものですが、この作品は第4回東急ハンズ大賞で準グランプリを受賞し、当時テレビにも報道され、手作りの精神を象徴した作品として話題になりました。

クラゲ
クラゲ
クラゲも幼少の姿と親になった姿は変わります。
幼少時は固まりになっていて、荒れる波に流されないようにしています。

集団にあった姿になっているのです。

それは人間でいえば、幼稚園または小学校時代かもしれません。

一つの塊になって生きていく時代は、生きていく上で、本能的に必要なのかもしれません。塊になって、流されないようにして、その間、少しづつ姿を変えて、独り立ちする準備をするために、それは必要な時代なのでしようね。

やがて、クラゲはその塊から花びらが一つ一つ剥がれて行くように、大航海の旅に出ます。

その時は、小さいがいっちょまえのクラゲの形に変化しているのです。

人間もまた同じなのかもしれません。

なぜかカタツムリは好きな生物の一つ。そのユーモラスな姿と動きが、見ていて飽きがこないのです。
昔読んだドリトル先生の航海日記?がいつも頭に残っているせいかもしれません。
或いは初夏の紫陽花にいるあの姿が好きだったのかも。
カタツムリは卵から生まれ、初めから殻を身につけている。

陸を歩く貝。住処を背負ってひたすら歩く。

カタツムリが海の底を歩く冒険物語は、頭からいつも離れません。
向日葵を歩く
向日葵を歩く

陶器で蝉の変態を作ってみました。

カタツムリも陶器で作ってみました。
可愛い感じになりました

生まれたばかりの虫たち。必死に何かにしがみつきながら、これから成長していくのです。大人のように丸くなるのではなく、いろんなものを出しながら、生きる事を始めるのです。頑張れと声をかけたくなります。


オニヤンマ。敏捷で大きくそのトラのようなシマシマが何とも皇帝を思わせる風格。

蝶々と言えばオオムラサキ。数十年ぶりに今度は陶器で作ってみました。私の原点に今度は陶器で挑戦してみました。
改めて見ると、私達は老いるように生きているのではなく、次のステージに向かって生きているのだなと感じます。