生命はいろいろな形で変化して成長していきます。
全く違う姿になるもの、同じ姿で大きくなるもの、そんな様々な生命の成長の過程、変化を捉えた作品を紹介します。
これは蝶とセミの組み作品。
ワイヤーと和紙で作っていて、小さな卵から成虫になるまでの過程を表現しています。
マトリョシカみたいに、上からかぶっていって、最後は葉っぱや木の幹の上に成虫がとまつている姿になります。
一つの中に成長の過程が詰まっているようになります。
それは生命の思い出かもしれません。
生きた証しとして、心に刻まれたかけがえのない思い出かもしれません。
そして、誰もがその時々の一瞬を胸にとどめて、今を生きることができる、一歩前に進めるのかもしれません。
まだ幼かった息子のために制作したものですが、この作品は第4回東急ハンズ大賞で準グランプリを受賞し、当時テレビにも報道され、手作りの精神を象徴した作品として話題になりました。
幼少時は固まりになっていて、荒れる波に流されないようにしています。
集団にあった姿になっているのです。
それは人間でいえば、幼稚園または小学校時代かもしれません。
一つの塊になって生きていく時代は、生きていく上で、本能的に必要なのかもしれません。塊になって、流されないようにして、その間、少しづつ姿を変えて、独り立ちする準備をするために、それは必要な時代なのでしようね。
やがて、クラゲはその塊から花びらが一つ一つ剥がれて行くように、大航海の旅に出ます。
その時は、小さいがいっちょまえのクラゲの形に変化しているのです。
人間もまた同じなのかもしれません。
昔読んだドリトル先生の航海日記?がいつも頭に残っているせいかもしれません。
或いは初夏の紫陽花にいるあの姿が好きだったのかも。
カタツムリは卵から生まれ、初めから殻を身につけている。
陸を歩く貝。住処を背負ってひたすら歩く。
カタツムリが海の底を歩く冒険物語は、頭からいつも離れません。